双眼鏡 防湿庫

〜 カール・ツァイスの趣ある旧式双眼鏡の備忘録 〜

目録 2021/05 

Carl Zeiss Binoculars

-Zeiss-

Dialyt 6x42 Skipper + Mono 3x12B [1]

Dialyt 7x42

Design Selection 8x56 Night Owl [2]

20x60 Stabilizer [3]

Deltarem 8x40

Oberkochen 8x30 

 

Dehumidifier

 

-Swarovski-

EL 10x50SV WB  [同率2]  5/14更新

 *[数字]:稼働率順位

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f:id:Zeiss:20210402170627p:plain SNAPZOOM Ⅱ 4/20更新メンテナンス道具 5/6更新

f:id:Zeiss:20210402170627p:plain EL 10x50SV WBは、現代機のリファレンスとして使用

f:id:Zeiss:20210402170627p:plain 小型防湿庫(トーリハン PH-60)1台に整理

-Swarovski-

EL 10x50SV WB  [同率2]  5/14更新

*[数字]:稼働率順位

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f:id:Zeiss:20210402170627p:plain SNAPZOOM Ⅱ 4/20更新メンテナンス道具 5/6更新

f:id:Zeiss:20210402170627p:plain EL 10x50SV WBは、現代機のリファレンスとして使用

f:id:Zeiss:20210402170627p:plain 小型防湿庫(トーリハン PH-60)1台に整理

メンテナンス道具 

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【 双眼鏡のお手入れ 】

一部の双眼鏡では、無水エタノールやクリーナー等で、ボディやタッチアップ補修の塗装を剥がさないよう、注意が必要になります。

①大型ブロアー(HAKUBA ハイパワーブロアープロ02)

2020年モデルチェンジ。先端ノズルがプラスチックからシリコン素材に変更され、あの緊張感(噴射時にノズルが吹っ飛び、レンズに当たったら...)から解放されました。
ノズルの長さも少し短くなり、扱いやすいです。

*シリコンにホコリが付着しやすい点を除けば、お薦め

②携帯ブロアー(HAKUBA ポータブルブロアー)

小さいので、クリーニングペーパー、レンズペンと一緒に、仕事鞄に常備しています。風量もレンズの埃を飛ばすには十分です。ただし稀にノズルが取れそうになり、不安になります。

③クリーニングペーパーZEISS Lens Wipes)

速乾性クリーニングペーパーは各社から出ていますが、ZEISS好きならこちら。ブロアーで埃を飛ばした後、レンズに指紋や結露の痕が残っていた場合のみ、これを使用。濡らした部分をマイクロファイバークロスでポンポンと拭きとり、レンズペン、ブロアーの順で仕上げます。双眼鏡の毎使用後、ボディーの清掃にも気兼ねなく使っています。*革ケースに入れる双眼鏡に、指紋や汗が残らないように

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④ハンドラップ(無水エタノール

一家に一台あると便利。ニコンのシルボン紙に付けて使用しています。業務ではキムワイプ派ですが、シルボン紙の方が柔らかく使い勝手が良いです。

メンテナンス通は、無水エタノールと他の洗浄液を混合したりしています。通常、クリーニングペーパーで落ちないレンズ汚れにしか使わないので、使用頻度は少な目です。

ハンドラップの吸上げ管が瓶底まで届かないため、小さなビー玉を瓶にたくさん入れて嵩上げするのが流行りのようです。瓶の製造元によって入るビー玉の径は変わります。
*写真は、8mm玉を80粒入れた場合

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⑤レンズクリーナーZEISS Lens Cleaning Kit)

富士フイルム(販売終了)や堀内カラー製も定番。同梱のZEISSロゴマークマイクロファイバークロスが大量に欲しかったので輸入。噴霧時は独特の香りがありますが、時間が経つと無臭になります。クリーニングペーパーで大半は解決するので、こちらの出番も少なく、もっぱら腕時計やスマホのガラス清掃に使っています。

⑥曇り止めスプレーZEISS AntiFOG Kit)

レンズに一時的なコーティングを追加し、曇り(微細な水滴)の付着を防ぎます。公称では、効果最大72時間と短いですが、そこは使用頻度次第。K社等の他社製だと躊躇しますが、ZEISS銘に釣られて試しました。パッケージイラストは眼鏡とゴーグルのみですが、裏の説明にはカメラ、双眼鏡にも対応とあります。接眼レンズが熱で曇りやすい(アイレリーフが短い)双眼鏡には便利ですが、コーティングが脆いレンズや高価な双眼鏡に使うのは避けたほうが良いと思います

ちなみに、Deltaremの接眼レンズで試したら効果抜群。全く曇らなくなりました。曇り止め膜自体は、クリーニングで簡単に落とせますが、他の双眼鏡に使うのは気が引けます。コンサート用の双眼鏡や、マスクで曇りがちな眼鏡には、お薦めです。

*眼鏡では(メガネのシャンプーよりも)ZEISSレンズクリーナーで清掃後、AntiFOG Kitを使った方が綺麗に仕上った

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⑦レンズペン(HAKUBA レンズペン プロキット)

仕上げには欠かせませんが、程々に。

*レンズペン使用後のブロアーは忘れずに

⑧大型マイクロファイバークロスエレコム KCT-006GY)

双眼鏡ボディの乾拭き専用。

 

SNAPZOOM II 

SNAPZOOM II は、数あるスマホアダプターの中では高価だが、軽量(121g)で、セットアップも簡単。コリメート撮影は双眼鏡で観た立体感は感じられず、iPhoneのカメラでは、ハイエンド双眼鏡の解像力も再現できないのだが、お手軽に扱える。デジスコや望遠レンズはないけど、双眼鏡はある人向け)

*写真はiPhone SE2とEL10x50で、20m先のアオサギを。下は近づいてDS8x56で撮影

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【EL10x50SV WB f:id:Zeiss:20210402170627p:plain / DS 8x56 f:id:Zeiss:20210402170627p:plain 】

ツノ見口のアイポイントは合わせにくく、DSではピンが来ず、ケラレて像も大幅に崩れた。また、何度も双眼鏡を付け替える内に、カメラの位置がズレ、ELも左側の像が崩れていたので、がっちり固定した方が良い。締め付けでiPhoneの緊急SOS(左右ボタン長押し)が動作しないよう、クッションテープが付属している。

肉眼で見比べると、ELはあっさり、DSの方が鮮やかで一段美しく感じるが、スマホ撮影には、隅まで像の崩れなく綺麗なELの方が適している。

*写真は150m先の神社と、50m先のツツジの花

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【Dialyt 6x42 Skipper f:id:Zeiss:20210402170627p:plain 】

スキッパーのシズル感も再現は難しい。ブースター(単眼鏡3x12B)を繋げた状態で撮影を試みたところ、iPhoneの重みで単眼鏡がズレてしまったので、双眼鏡のみで撮影。

カワセミも撮影したかったが、アオサギが鎮座しており、警戒してか現れず。

*写真は3m先のツツジの花と、7m先のアオサギ

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【20x60 Stabilizer f:id:Zeiss:20210402170627p:plain 】

20x60Sの防振ボタンを押しながら、iPhoneの撮影ボタンをタップするのは意外と難しい。タップする瞬間、防振ボタンを押している左手で双眼鏡全体を支える必要があるため、ブレやすく、肝心の防振が利きづらくなってしまう。声シャッターアプリという手もあるようだが...

2枚目の月面写真は、20x60Sと"Vespera"(倍率は33倍相当)の撮影比較。

*写真は550m先の鉄塔  *Vespera:Vaonis社の電視観望カメラ"Stellina"の弟分。2021年末出荷予定。

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月面X(ルナ・エックス)iPhoneかつ三脚無しで像は粗いが、X以外にもV、O、E、Lを確認できた。 
(撮影だけなら、COOLPIX P1000で良いかも

*VとLは時計回り90°、Eは反時計回り90°傾き。Eはうっすら見える程度f:id:Zeiss:20210420121508j:plain

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Dialyt 6x42 Skipper + Mono 3x12B 

仕事鞄に常備。単眼鏡(Mono 3x12B)と一緒に持ち歩いている。

6倍IFなので鳥見には向かない。日中は、風景を見渡したり、近景や植生が中心。夜間は天の川をざっと見渡し、ターゲットを見つけ、20x60sに切り換える。強烈なヌケの良さ、世界をより美しく描画し、とりわけ近景を芸術まで昇華させる光学性能。

Dialyt 6x42 skipper

スキッパーの視界を通すと、世界はこんなにも様々な生命が絡み合い、力強く、その息吹に溢れていると感じられる。
星見では、輝星と微光星の奥行感により、ペルセウス二重星団が天の川に浮く宝石の様で、印象に残っている。

Dialyt 6x42 skipper

(専用アダプタで)Mono 3x12Bを合体し、近距離の植生を顕微鏡で覗くように観察できる。桜の花のめしべや花粉一粒一粒がキラキラと瑞々しく、とても存在感のある像に心奪われ、時間が経つのを忘れてしまう。

Dialyt 6x42 skipper

2年前ドイツ本国送りでオーバーホール。光学系はプリズムのみ残し、接眼ユニット、対物レンズを交換(当時の交換部品の在庫は、製造終了後30年までなので、そろそろ期限だ)。細かい拭き傷が無くなり、気持ちコントラストが上がったように感じる。見かけ視野角50.8°だが1000m視界148mなので、7x42(150m)と差を感じない。透過率は91〜92%。明らかにDS(91%)よりは明るく、SF8x42(92%)に近い。

Dialyt 6x42 skipper

2010年birdforumで、その光学系は、Dialyt 7x42の対物レンズ・プリズムとDialyt 8x56の接眼ユニットの組合せであるという書き込みや、日本の双眼鏡愛好家による個人掲示板にて、視野環絞りについての考察等がされていた。ツァイス担当者からも、6x42の接眼は8x56の流用であるとは聞いていたが、どう加工したのかは謎であった。

そんなスキッパーの謎もジャングルさん(検索非球面さん)により、レンズコバの削り込みにより実現されていたと解明され、なるほどスキッパーで見る野辺山での天の川が、30年前に8x56 Dialytで見たそれにとても似ていたのはそういうこと(想い出補正ではなく光学的理由)だったのか、と合点がいった。

 

6x42 dialyt skipper

機材: 6x42 Field 8.4°1000m視界/148m

射出瞳径: 7mm

 

【 シリアル番号について 】

ツァイスの場合、シリアル番号と製造時期は大まかな目安にしかならないが、この個体の番号は461***で、前期仕様。

確認できたサンプルでは、前期仕様(軸ライン無):34****、39****、46****。後期仕様(軸ライン有):36****、46****、56****と分布。46****は後期仕様の方が多い。390***にT*表記のみの個体があったらしい。フェイズコート移行期の隠れP(ラベルはT*だけと実際はT*P)かも。

  

【 追記 Apr 5, 2021 】

双眼鏡愛好家たちの長年の疑問に終止符を打った、ジャングルさん(検索非球面さん)によるレビュー。

深い造詣と卓越した視点で、ハイエンド・ローエンド問わず、様々な光学機器の特性を解き明かされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

【 追記 Apr 19, 2021 】

SNAPZOOM II でのコリメート撮影を以下に追加。


Design Selection 8x56 

Night Owl(ふくろうの目)シリーズでは、一番バランスの良い機種だと思われる。

曰く「光学性能は素晴らしいが重い」「採算度外視で作った」「鉛レンズの最終形」として有名。56mmレンズの分解能によるシャープさと多彩な物質の質感表現に優れるが、それを堪能するには、1)重さ(1.45kg)、2)逆光に弱い(接眼の迷光に難)、3)色収差という三重苦を上手く制御する必要がある。

Design Selection 8x56

当初は、逆光に弱く色収差が消し込めず、ふくろうの目と銘打って、薄暮〜夜に使ってね、と逃げたのではないかと邪推したが、使い込むと良い面も見え、気が付くと手を伸ばしてしまう。

FL以降のフラッグシップ機と比べると、逆光に弱い。眩い朝日の逆光下では、コントラスト不足となる。そのような場面は、日陰に移動するか、逆光に強い双眼鏡(スキッパー、EL等)に任せた方が良い。逆光でなければ、日中〜薄暮は程よいシャープさと像質、42mm機とは段違いの分解能を体験できる。42mm機では、葦に覆われた沼地の湖面を見ることができなかったが、DS 8x56では葦の僅かな隙間と隙間まで解像され、湖面の姿が浮かび上がる。

では、夜はどうか?手持ち双眼鏡として、星空に定評のあるスワロフスキーEL10x50SV WBで見る夜空は、星々のエッジが立ち過ぎて、まるでプラネタリウムを見ているかのような人工感があるが、DS 8x56の星空はよりリアルで、覗いていると、すぅと吸い込まれるような感覚になる。スキッパーのように星の煌めき、瞬きは美しく、ELよりも多くの微光星雄大な奥行きを演出する。星空指数の高い日は、鞄のスキッパーはDSと入替えになる。

Design Selection 8x56Design Selection 8x56

見た目は横に広めだが、眼幅を合わせるといくらかスマート。

実物は造りも良く、写真よりも高級感がある。

重さは、シリーズ(7x45、8x56、10x56)で、一番8x56が重い(1,459g)。20x60sの"がらんどう"な重量感とは対象的に、ぎっしり詰った感じの鏡筒だ。長さも、10x56より3mm長い。

視度調整範囲も他2つは+/-4.5Dなのに、8x56だけ+/-3.0Dで、裸眼で視力0.1を切っていると、眼鏡かコンタクトレンズで矯正しないとピントが合わない。

それでも何故8x56を選ぶのかと言うと、 3機種の中で一番色収差が少ないから。直射日光の当たった屋根、電線、逆光の当たったブラインドを通る光、月などの色収差を無くすことは難しいが、眼幅、アイポイント、視度調整を細かく追い込むことで、かなり改善することができる。

Design Selection 8x56

重量バランスが良いため、覗いている間は重いと感じないが、移動時には首にずしっとくるので、肩にかけるか、エアーセルストラップやビノハーネスに替えるのも良いかもしれない。

接眼アイカップ(ゴム見口)は経年で、カチンカチンに硬化したり、ヨレヨレになったりする。交換品の在庫を取り寄せたが、どれも少し縮んでいた。

専用の対物レンズキャップ(Black)を探しているが、B&Hの在庫も無いようだ。   

 

 

       

8x56 Design Selection

機材: 8x56 Field 7.5°1000m視界/132m

射出瞳径: 7mm

 

【 追記 Apr 19, 2021 】

SNAPZOOM II でのコリメート撮影を以下に追加。